好きだから別れる

「好きだから別れる」という場合があるようですが、これは比較的男性の方が取る態度のようで、ここのところ2件ほど続けて相手の男性に急にメールとかも来なくなり、電話をしても出てくれないとか、かといってハッキリとしたことを言われるわけでもないし、どうしたらいいのかわからないと言う女性の相談を受けました。

ところが、カードで観ると、相手の男性は彼女のことを嫌いどころか、ハッキリと愛情を持っているカードが出るのです。
通常の恋愛では、相手に愛されていると伝えると喜ぶのですが、この場合いささか複雑で、どちらの女性にも
「かえって嫌われていると言われた方がすっぱり諦めることができるのに、余計辛い」
と言われてしまい、本当にそうだろうなと思いました。

どちらの女性も偶然、男性とは遠距離恋愛です。でも、精神的にとても繋がっていたんだろうなというのがわかるカードなのです。ただ、どちらも女性はバツイチで子供がいます。男性は独身です。
こういう場合、自分たちのことだけ考えていればまあ、好きだからつきあう・・・となればいいのでしょうけど、お子さんや、いろんな問題が絡んでくるため、自分のことだけ考えればいいというわけにいきません。
本能のままつき進めばいろんな問題が出てくるのは必至です。でも、子供がたとえばまだ小さい場合は、20歳になるまで・・・とか先行きは結構長いため、その間欲求を抑えるのはどうも、男性の方が辛いケースが多いようです。
女性の方には、物理的距離があるというのは、こういう、子供がいたりするケースでは理性のブレーキがききやすいため、案外好都合なのですが、男性にとっては、こういう「いわくつき」の女性を本気で好きになってしまった場合、逆に精神的にはかなりヘビーになります。
そして、その辛さからか、「いっそ会わない方がいい」という結論を勝手に出してしまうのも男性のようで、急に連絡がなくなったりするから、女性はもう、「嫌われたんじゃないか」と思うわけです。

ドラマなどでも「好きだから別れる」みたいなことって、男性がよくやりますよね。
相手の幸せを思って・・・という大義名分ですが、実は自分自身が弱いから、突っ走りたい本能に負けそうになる自分と向き合うのがしんどくなってしまうからだと思います。

やはり、男性は弱いのです。

鑑定のケースでも片方の人は、男性が被災地の方で、自分はさほど被害には遭わなかったけれど、周囲がやはり大変なさなか、自分だけチャラチャラした気持ちになれないというのがあるのでしょう。会ったり電話の声を聴いたら耐えられなくなるから、メールだけの関係になってしまったそうで、「友達に戻ろう」と言われたそうですが、本心、かなり愛情を持っているカードだったので、まあ、これはいたしかたないとはいえ、彼女にしてみればやはり会いたいわけですから、彼の負担にならないように、被災地に激励に行くという形で会いに行けばいいのだと言いましたし、実際、会いに行けば拒むような感じではなかったのです。どちらも分別ある大人ですし、本当に縁があるのなら、お互いの気持ちは変わらないと思いました。

もう一人は以前も似たようなケースがあったのですが、男性が不治の病で多分長くないと自覚しているのでしょう。彼女がメールをすれば一行メールは戻ってくるけれど、会おうとは一切言ってくれなくなったそうで、この場合も、彼女の事が好きだからこそ、自分では長い時間一緒にいられないから、別れようとしている。でも、好きだという思いもあり、ハッキリと拒絶できないのだろうという感じでした。彼女は蛇の生殺し状態で辛いと言っていましたが、気丈に明るくしていたので余計に切なかったです。

女性だと、自分が辛い時こそ好きな人とは一緒にいたいし、会いたいという欲求に素直になる場合が多いのですが、男性は比較的自分が辛い立場の時には人と会おうとしないようなところがあります。
「好きだから別れる」というのは女性にはどうも理解しがたいことのようです。女性はどちらかと言えば「今」をみていたいのに対し、男性は長期的展望をするのかもしれません。

ただ・・・私自身、どちらかというと男性的な醒めた面があるからなのか、自分自身が感情移入しすぎる相手に対して、醜い感情を見せるのが嫌だから、距離を置く傾向があります。家族にこれをやってしまうので、いささか厄介です。
特に娘はやがて離れて行くものだという覚悟をしているので、それなら、最初からべったりになれば辛いのは自分だし・・・という感じでどうも、それが極端に出てしまうから、娘は多分「冷たい親だな」と思っているでしょう。ただ、最近だと、こちらが距離を置いていると向こうも遠ざけているため、余計に距離が開いてしまった感じがします。
「いつまでも縛ってはいけない」という思いが逆に避けるような感じになっていて、なんだか、嫁入り前の娘の父親に近い感覚で、私は見守るような客観的な母性はやはり持ち合わせていないんだろうなと思います。こちら側のエゴでしかなく、ホントは弱い自分と対峙させられています。

「好きだから別れる」・・・こういう経験、みなさんはありますか？