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引き際の美学

引き際の大切さというのを良く感じます。

戦場カメラマンの渡部陽一氏は、本業に戻るため、メディアへの露出は控えるとのことですが、人間は、ちょっと有名になってしまうとどうしてもそこにしがみついてしまう傾向があります。
ましてや結構多額のお金も入るわけですし、そこで傲慢になってしまう場合もかなりあると思います。
でも、彼は本業に帰るためにメディアの第一線からは退くということを決意したのでしょう。

「自分を知っている人」というのはやはり「引き際」というものをきちんと心得ているんだなと思います。

引き際で私がやはり印象的なのは、青春時代をともに生きてきたというか、同い年でもあるので、大好きだった山口百恵さんの引退はまさに、頂点で、みんなに惜しまれながらの引退でしたし、その後30年経つのに、本当に一切メディアに登場しないという姿勢を貫いていることはもう、ただただ感服します。
あれだけ一世風靡した人は普通テレビに「その後」みたいに出てきてもおかしくないですし、マスコミも彼女の映像を何とか・・・と思ったでしょう。でも、本当に一切出ない、息子たちが芸能界に出ても、一切出ません。

それなのに、たいていの芸能人は引退すると言っても何年後かにはアッサリ復帰してきます。
だったら、引退するなんて大見栄切らなきゃいいのにと思います。

それに比べて、政治に携わる方々の引き際のお粗末なこと・・・

日本の大臣の方々も然りですが、諸外国の独裁者も然り、権力にしがみつき、もう不要だと言われていてもただただ自分の地位を守ることしか考えていません。かと思えば途中で大事な責務を放り出し、逃げてしまったような人もいますし、引退すると言ったにもかかわらず撤回したような人も・・・。

この国の未来はあるのだろうかとマジで悩んでしまいます。
「しつこさ」や「執着」は時には必要だし、意志の強さは大事ですが、引き際の潔さというのを知っている人こそ、本当に勇気のある人なのではないかと感じます。

一般人で言えば離婚などを潔く決意したり、好きだからこそ別れる勇気を持っているような人、会社などでの地位をあっさり捨てる人など、来るべき不安を覚悟しつつも、中途半端な感情に流されないでいると言う人は素晴らしいと思います。
私なども、嫌なことがあると引きずってしまい、結局は自分かわいさになかなかすっぱり何かを諦めるとか捨て去るという勇気がないのですが、何度か崖っぷちに立たされて、決断をしたことがあります。
でも、そのことを後悔している方が多いので、そこが往生際の悪さで、いつも自分がふがいないのですが・・・。

以前ヒットした絵本「葉っぱのフレディ」というのがあり、私も持っているのですが、このフレディはこの「引き際の美学」を教えてくれた絵本だと思います。
何かを「覚悟」した時に、ぶれない自分でありたいとは常に願うのですが、本当に難しいなぁと思います。

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