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Astrology

自己肯定感と自己愛

Category:その他占い

自己肯定感と自己愛は、似て非なるものだと思います。

自己肯定感というのはやはり、人を愛するためにとても必要なことで、自分自身に対して自分で「認めてあげられる」と言うことだと思います。不完全であったとしてもそれもまた自分の一部として尊重しつつ、成長しようとする前向きな肯定感であって、だからこそ、自信も生まれ、人を信じたりしながら健全な人間関係を築くことができるのでしょう。だからこそ、違う意見を言われても受けとめられるし、自分と考え方の異なる相手のことも受け入れることができます。

でも、自己愛というのはやや問題です。以前ここにも「ナルシスト」の星を書きましたが、人を愛することが本当の意味でできないような人によくみられるパターンで、自分が大好きというと語弊はありますが、自分の世界でしか物事を捉えることができず、人を信用できないということがあったり、何と言うか、自分自身の価値観にそぐわない相手やそういった対応をされると勝手に傷ついたり攻撃的になったりもします。
「私は私だ」と開き直ってしまうケースもあります。

今日は、いささか、間違った愛の形に悩んでいる人の相談を受けました。
相手を理解するために、相手と同化しなければならないと思ってしまい、そんな自分に自分で酔ってしまっていて、いつしか本当の自分を見失って、違う人格を形成しようとしていました。

「今の自分が嫌いだよね?」と尋ねたら、まさしくそうなんだと言っていました。
彼女は本来は非常にポジティヴでカッコいい女性でした。
でも、毎日が今の相手のことばかりで占められていて、相手に距離を置かれてしまったと悩んでいました。
最初は彼女の方がカッコよく、相手を叱咤激励する立場だったので、だからこそ相手は彼女を愛したと思います。ところが、恋愛関係というのはどうしても「見返り」を求めてしまいがちです。
自分が、相手のピンチに親身になって尽くしたのだから、自分がピンチの時にも当然相手から尽くしてもらえるという「間違い」を冒してしまうのです。
彼女の愛は、相手に尽くして、母親のように接する自分自身にいつしか酔っていたため、本来の自分の性格からどんどん相手寄りの性格になっていました。
相手のことが好きだったというよりも、相手に対して一生懸命尽くしている自分が好きだったのです。

本当の自分を思い出してもらうため、相手の性格分析をすると
「その通りです。そんな人の何が好きだったのかと思います」と気づいてくれたようで、彼女が本当に求めていたのは愛情よりも、自分自身が確立されるべき仕事だということがわかったみたいで、帰る頃には満面の笑顔でした。

私自身が実は自己肯定感が少ない人間なので、今日の彼女の気持ちがとても理解できたのです。
獅子座・月山羊座という非常にまじめで正義感の強い人だったので、その真面目さゆえに重くなってしまい、相手に「嫌われたくない」という、しなくてもいい遠慮をするようになり、どんどん相手に嫌われる言動をしてしまっていました。
本当に自己肯定している人はことさらに「自分が好きだ」とかそういうことは言いませんし、自信のある人ほど自然体です。
でも、自己愛に生きている人というのは、やたらブランド物を身にまとう人や、自分や自分のバックボーンの自慢ばかりします。誰かに「すごいね」「すてきだね」と言われないと自信がもてないのかもしれません。
ですから逆に、ことさらに自分自信を卑下してしまう人もいます。これも一種の自己愛性格で、「そんなことないよ」と言ってもらいたいがためにそういう言動をします。

今日来てくれた人が、間違った愛情から卒業できることを切に願いたいなと思いました。
恋愛は「人」に何かを期待した瞬間、破たんがきます。
相手のために恋愛するのではなく、自分のためにすればいいのです。
相手のために・・・・と頼まれてもいないのに思ってしまうことが自己愛に繋がりますが、自分のために恋愛するというしっかりした信念を持っている人は、自己肯定感から来る恋愛感情ですから、もしうまくいかなかったとしても、後悔しないと思います。
そして、相手を責めたり自分を責めることなく、納得行く点を見いだします。

なかなかできることではないのですが、前にも書いたように、カッコいい女性ほど、恋愛した時にはどうもカッコ悪くなってしまうんですよね。
でも、こういう人、好きだなぁと思いつつ、頑張ってほしいと思いました。

Keyword:恋愛・結婚性格

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