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Astrology

女教皇と女帝

Category:その他占い

女性性とひとことで言ってもいろいろあります。
占星学では、女性性を示す惑星はやはり月と金星ですが、月は太陽の光がなければ自らは光を放ちませんので、やはり受け身な姿勢を示し、女性の精神性を司るものです。母性とかをも意味しますが、それすら、自分自身にベクトルを向けるものではなく、愛する人のために感性を使うものとしての感情です。
一方、金星は大吉星のひとつですので、華やかさを持つ、女性性の最も良いイメージの惑星です。こちらは、愛だけではなく、美、豊かさなどをも示すので、女性の現実性、つまり能動的な面を示すものです。

タロットカードで月を司るものは、もちろんそのものである「月」のカードもありますが、
「女教皇」という、カードによっては女占い師が描かれたものもあり、女性の非現実の世界、閉鎖性や消極性を示しています。孤高で、このカードは愛においてもまだ処女性を示していますので、潔癖でプライドの高い、冷静なタイプをも示します。
マイナス面としては、冷たく人を寄せ付けない面や、利己的だったり、感情的でヒステリックだったり、かわいげのないタイプを示す場合もあります。

一方、「女帝」のカードは女性の現実面を示すカードで、一般的には妊婦で表されていて、母性を示します。惑星で言う月の示す母性というよりも、もっと現実面での母性で、実際に母親になるカードですから、もちろん女性としての喜び(愛し、愛されること)を知っていますし、華やかさも同時にもっていて、「いつくしみ、育む」という女性の持つ満足感を示しています。ですから、一般的には女性はみなさん、「女教皇と女帝はどちらが好きですか?」と聞くと大抵の方は女帝を選びます。

ところが、私はもともと潔癖で孤高好きだからか、タロットの大アルカナ22枚のうちでもっとも好きなカードが「女教皇」なのです。月の女神アルテミスを示しているこのカードのアルテミスの別名が私の名前に使われている「セレーネ」ですので、特に、トートのタロットカードの「女教皇」はベールに包まれていてとても神秘的で好きなのです。
女帝は確かに正位置ですと、女性の最高に恵まれた状態を示しますが、マイナス面として、怠惰だったり甘えすぎるとか、ワガママ、虚栄心の塊、悪い意味での女性性としての意地悪さ、依存心なども示します。私的には「女教皇」の勤勉さや賢さに比べて、女帝のそれは、計算された「女であることを利用した賢さ」だとも思うので、派手好きで、ワガママで虚栄心に満ちた、このカードの逆位置のような女性がとても苦手というのもあるせいか、どうも、このカードは好きになれません。
恋愛音痴だからというのもあるのかもしれませんし、自分に母性が乏しいからかもしれませんが、今までも、レッスンをしていて、必ずみなさんに好きなカードを選んでもらっているのですが、この2つを比べた場合、圧倒的に女帝は人気カードで、女教皇は不人気カードなのです。

ただ、占い師には絶対に女教皇の清貧さは必要です。
もちろん、女性としての未熟さを伴うこのカードは、閉鎖的ですから、自分の世界に没頭し、占い師であっても研究家のようなタイプです。人に教えたり、誰かに伝えるということはしません。

ですから、やはり現実世界においては、女帝のよい部分も持ち合わせていないと、女性性を生かすことはできませんので、両方とも必要なのです。

この写真のタロットは、私がジプシータロットで用いている「マドンニタロット」というものですので、ちょっとマンガチックに描かれていますが、それでも、女帝は華やかですね。

このようにタロットカードでは、類似カードや意味が似通っているものなど、さらには対照的な意味合いを持つカードをともに並べてその違いと、なぜ必要性があるのかを考えて行くと面白いのです。

みなさんは、この二枚、どちらが好きですか?もちろん、お持ちのタロットで調べてくださいね。

Keyword:タロット

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