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Astrology

海王星のよしあし

Category:占星学・応用知識

トランジットの海王星が本拠地の魚座にやってきて、その力を良くも悪くも発揮していますが、海王星と言う惑星は、占星学では実は凶星で、特にハーフサムなどの場合、その軸に海王星が載っている時を最も悪く読むのです。
土星や火星などの凶意がハッキリしている惑星の方が一般には凶星の代表格とされていて、確かに事象としてハッキリ出てきますから「辛い」「苦しい」という状況が否が応でも受けとめざるを得ないのですが、その理由もハッキリしているため、むしろ対処法は見つけやすいわけです。

たとえばハーフサムの軸で言えば有名なものは火星と天王星の軸、いわゆる「治療軸」と呼ばれているもので、これは、手術などの時期をみるときに活用しますが、ここに火星や土星の載った時期はズバリ、手術をやめればいいわけです。こんな時期に手術をすれば失敗するもしくは下手すると死を招くこともあるからです。
ただ、ここまでハッキリと悪いと言われたらもう、やめればいいわけですが、海王星が載った場合が最も悪いというのは、こういう時期に手術をすると「治らない」つまり、死ぬまで苦しむ結果になりかねないという最悪の結果になることが想定されるからなのです。

恋愛などの軸でもそうですが、月と金星の軸などは、「恋愛軸」で文字通り恋愛に良い時期を選定する時に使うのですが、トランジットの木星や金星などの吉星が載った時が恋愛運のよい時期と言えますし、火星や土星の載った時期は出会いは「ない」わけです。ところが海王星が載った場合は厄介で、出会いはあるし恋愛に発展するも、失恋するということになったり、振り回されていわゆる「蛇の生殺し」状態になりやすい時期なのです。
軸でも、海王星と組み合わせた軸は、たとえば金星と海王星の軸はズバリ「失恋軸」です。この軸にトランジット海王星などが載ったらいつまでたっても忘れられないというように、傷が深いと言えるでしょう。

要するに、「曖昧である」という海王星の特徴が、占星学の場合、「いつまでも苦しむ」と言う意味で「ハッキリと吉凶が出ない」ことで最も苦しむから悪くみるのです。

確かに曖昧なものは気持ち悪いです。

私はトランジット冥王星が自分の太陽の上をしばらくは通るので、総じてしんどいのですが、もちろんその事象はハッキリしているし、どうすればいいのかもわかってはいます。でも、精神的になんというか、釈然としないのです。これはなぜなんだろうと思ったら、自分のプログレスの太陽の真上にトランジット海王星がいるからだと気付きました。これはしばらく続くので、冥王星のハッキリしたしんどい事象に対していつまでたっても解決の糸口がつかめず悶々とするということになり、だからなのか、どうも、全体的に元気になれないのです。

しかも3宮ですので、3宮はコミュニケーションや自分の初歩的な考え方を示す場所なので、考え方がハッキリしにくく、自分自身があいまいな態度を取ってしまうのです。
アングルで事象はハッキリと出てくるのに対処法が曖昧になってしまうという最悪のパターンです。
恋愛でいえば、ダメだと言われている恋をいつまでもウジウジと引きずっているような感じでしょうか。

トランジットの影響力というのは、ハッキリしている場合も大変ですが、このように曖昧であるということも、かなり長期に渡って曇り空が続く空模様みたいでどうにもスカッといかないものです。

芸術とか、広い心で…と言う意味では優しい海王星なのですが、恋愛とか人間関係においては一番厄介だなというのもわかる気がします。
魚座も海王星もそれ自体は決してきつい星ではなく、優しいのですが、それゆえにバシッと切ってくれないという星でもあるため、時と場合によっては、白黒ハッキリつけたい問題の場合にはホントに困ります。

たとえば、心理テストで、昔の恋人の写真をどう処理するかというのがあり、
①燃やす
②破る
③とっておく
とあり、一見①や②の方がきついと思われますが、これは本当の優しさをみるテストで、優しさを持った人は自分も傷つく事を選ぶので、その意味では①のように形をなくしてしまう行動を取る人は最も優しく、②は形はなくなりますが、完全には消えないので中間、③は実は海王星っぽい答えで、その優しさはあくまでも自分が悪い人になりたくないからというものであり、いつまでも形を残したままにされている相手の気持ちは無視されますから本当に優しいとは言えないのです。

海王星は実に扱い方の難しい惑星で、昨今、社会的にも非常に白黒つけないことが優しさのように思われている風潮がありますが、果たしてそうなのだろうかと、トランジット冥王星がハッキリしろと言っているので、私などはその両面が絡んでいるため、どうしていいのか分からなくなってしまうことが多いんだと思います。
何か問題が発生した場合、ついつい土星や冥王星などに注目しがちですが、海王星と言うのが案外落とし穴になっている場合があるかもしれません。

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