占星学の玉手箱

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Astrology

原因を究明できない心の傷

Category:占星学・応用知識

原因を究明できない心の傷というのがあります。たとえば、最近の例でいえば、2011年の震災で愛する人を突然失った人の心の傷は、震災という天災のせいであって、それは誰のせいでもないわけですから、原因を究明したところで癒えるはずのない、深い、深い傷なのです。

でも、原因がはっきりしている心の傷もあります。

前者を、占星学ではキローンという土星と天王星の間を通る彗星と言われているものが司るのですが、キローンは私が追及している「インナーチャイルド」と非常に関連があるように感じます。

後者の傷は、土星のコンプレックスや、トラウマなど、その原因がハッキリしているので、そこに向き合う努力をすることで克服できるものです。
でも、キローンの傷は、たとえば生まれつき不具で生まれてきた場合など、それは誰のせいでもありません。でも、その人は一生その傷を抱えて生きていくことになります。なので、それはもう、人間世界の持つ限界値を超える傷なので、治そうと奮闘したところでどうすることもできないわけですから、その限界を受け入れることでしか癒すことはできません。

オリンピックの後に開催された、パラリンピックを観て、本当に皆さん輝いていて、素晴らしいと思ったのですが、こういう人たちは、キローンであらわされる傷を癒した立派な人たちです。

要するに、インナーチャイルドの傷ついた心を認めることで癒していくということです。

そこには、いわゆる「癒し」と呼ばれている代替医療のようなものは意味を成しません。
自分自身がその傷を受け入れていくことでしか、魂は救われないのです。

人は苦しみや辛さから逃れるために、現実逃避に走ります。その形はいろいろで、人によってはお酒やドラッグ、さらには買い物依存やセックス依存のような人もいます。
でも、土星の傷は、例えば小さいころ、甘えたかったのに親が仕事で忙しくて家にいなかったのでさびしくて仕方なく、お酒を飲んでいるときだけは寂しさから逃れられるから依存してアルコール依存症になるようなケースがありますが、原因が親の不在だとはっきりしているのですから、自分はそんな親にはなるまいと、反面教師にして頑張って自立心を備えられることで自分が結婚したら愛情を子供にそそぐ親になろうとするという形で克服できる場合があります。
同じ傷でも、海王星の傷だと、現実そのものから逃れたいために、お酒に逃げるケースになりますが、その場合は代替医療や音楽、さらには恋愛など心を癒すものが回復に役立つ場合もあるでしょう。

でも、キローンの傷は、お酒に逃げても癒えることはないのです。
この、どうしようもない傷を限界値まで抱え込むことで、人はもう、辛いことを通り越して今度は怒りに変わります。不条理な痛みにたえかねて、ついにはもう、その現実を受け入れることで静かに対峙し、詩を書いたり、絵を描いたり、自分で何かしら癒しを求めていくことしかできなくなります。

死を宣告された人が最初は悲しみ、そして怒り、やがては受け入れて…というのと似ているかもしれません。
キローンの傷は決して癒えることのない傷だということを前提に受け入れて向き合う必要があるわけです。

私のキローンは2宮なのでお金?と単純に考えていましたが、もちろんお金と向き合うことは上手ではないですが、2宮は所有物すべてを示すので、親もそうなのです。私は生まれそのものに問題を抱えているので、それはもう、誰のせいだということではないのです。でも、その状況をなかなか受け入れることができず、ずっと生きていますので、2宮は自己承認の宮でもあるので、キローンが自己承認をさせてくれないということに繋がり、どうしても自分という存在価値がなかなか自信として形成されないという部分があります。

でも、これはキローンと向き合うことで、自分が自分を認めない限りは、何も変わらないはずです。

キローンのあるハウスはとても重要です。

出張で、広島に行ったとき、強行軍でしたが、鑑定した方に、インナーチャイルドカードを使ってみました。みなさん本当に自分で選んだカードを自分で観て、話をしていくので、自分を発見し、びっくりされてました。
まさにキローンだということを私も実感しました。

非常に深いテーマです。1宮・牡羊座にキローンを持つ人は、常に自信がないというのですが、それは、子供のころ、目立ちたくないのになぜか目立つポジションに立たされてしまったことがトラウマになってしまい、なぜ自分が目立つのかということがとてもいやで、以後、目立たないようにしてきたということなのです。でも、1宮・牡羊座のキローンは自己実現の場所ですし、目立つなと言っても目立つのです。
だったらもう、出る杭ではなく、出すぎた杭になるしかないのです。
実際、彼女はしっかりと自分で仕事を確立しているのに、自信がないと思っているのはご自身だけなのです。
このように、目立つということを彼女が認めた時、自己信頼としての自信が生まれると思います。

まだまだ私自身も研究中ですが、キローンに当分はまりそうです。

Keyword:2ハウス土星キロンカルマ

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