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Astrology

事を「起こす」日と事が「起きる」日

Category:占星学・応用知識

事を「起こす」日と事が「起きる」日というのは微妙にニュアンスが違います。

先日、通信での依頼があったのですが、とてもこちらが勉強になるようないい題材で、非常にためになりました。
通常は、恋愛とか仕事とか、全体的な「流れ」を読む相談内容が多いので、占星学のみで対応することはなかなか難しいのですが、今回の依頼に関してはもう、占星学の知識を駆使しての鑑定だったので、なかなか手ごわく、いろいろ自分なりに納得いくまで研究しました。

私もここによく書いているように、コンジャンクション・スクエア・オポジション(時にインコンジャンクションやクインデチレ)のある時は「事が起きる」日であると同時に何らかの事を起こしたくなる心理的要因も出てくる日です。
でも、実際に事を「起こす」日となると、わざわざハードアスペクトを持っているような日を選ばないのが常であり、どちらかというとトリンやセクステルなどのソフトアスペクトが優位になっている日は「安全日」であるということで(物事が平穏に進む)そういう日を選ぶので、これがいわゆる「事を起こす」日だと言えます。

要するに自分の意思とは裏腹に星のパワーで物事が起きてしまうのがハードアスペクト主流の日であって、自分の意思で物事を決定できるのがソフトアスペクトの主流の日なのだと思います。

ある方からの依頼で、文書を送るのに最適の日を選定してほしいという内容でした。
占星学に従事する者としては非常にやり甲斐のある内容でした。

文書を送るということは水星や3宮の領域ですのでこれははずせません。
さらに、水星逆行中はトラブルや遅延を意味するのでこれは避けなければなりません。
さらには、ボイドタイムは物事が無効になるため、これもまた避けた方が無難です。

あと、やはり願い事が叶うための内容ですので、「増光期」に事を起こす必要がありますし、「蝕」の時期は物事が欠けるので避けなければなりません。

あと、内容が芸術的なことだったので「芸事軸」さらには「成功軸」というハーフサムの軸も駆使して調べました。

これだけのことを使うとかなりの精度で選定できます。

ところがなかなかすべてを合致させる日というのはないものですね。
それでも、その人のネイタルの惑星に対して統治星やベストプラネットと角度の良い日というのを選定できました。

以前も、入籍の日を依頼されたことがあり、この場合もハーフサムの軸を駆使しました。

日の選定というのはやはり大事です。

単純に言えば月の星座とかで選ぶことも可能ではありますが、それだと、もともとのその人のライツと両方に相性のいい星座というのはなかなか難しい場合があります。

方角や引っ越しなどの日の選定もありますが、何事もその物事を示すハウスや惑星からポイントを決めて、あとは必要なハーフサムやトランジット(心理的要因)、プログレスなども合わせて考えるといいでしょう。

このような内容は意外と時間もかかるし、「レクティファイ」(出生時間修正)と合わせて非常に高度な技術を要しますが、長年やってきていると、基礎的なことから、少しマニアックなことまでいろいろ組み合わせて観ることができるため、こちらが非常に勉強になります。

おかげさまでよい鑑定ができました。Oさん、ありがとうございました。

Keyword:カルマトランジットプログレスアスペクト

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