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Astrology

ソフトアスペクトによる自己防衛

Category:占星学・アラカルト

私は子育てカウンセリングをよくやりますが、自分自身が子育てに対して大いなる失敗を経ているので、もっと自分の子供の星をきちんと把握した上で、感情的にならずに接することができれば・・・という後悔の念からも力を入れているわけです。

私自身、努力家のように人からは良く観られますが、たぶん地のグランドトリンがあるからなのだろうと思います。地の星座は「安定」を意味しますので、「基礎的なこと」は習得する力をもともと持っています。だから、基礎がぶれないので、それが努力家に見えたりするのでしょうけど、実際は冒険しないだけであって、自分が失敗しないような道を歩んでいるのです。
平たく言えば「得意なことしか手を付けない」のであって、それ以上のチャレンジをしないのです。
カラオケに行っても自分のキーや声質を知っていますので、それに見合った、上手そうに聞こえる曲しか選択しないので、うまいと思われます。
服装でも、自分に似合うものをセレクトしているのでよく見えるのは当たり前だし、意外性のない、つまらない性格であるともいえます。
食べ物でも、嫌いなものにチャレンジしないので、例えば嫌いな牡蠣は一切食べないので、当たることもないですが、その良さを知ることもなく一生終わるでしょう。

グランドトリンを持っている人はえてして自分の得意なことしかしないので、「失敗」が少ない分成功しているところしか見えないので、できる人のように見えるだけなのです。
その分そこから成長することもないし、「そこそこの線」で満足してしまうのです。
自分が失敗することで傷つかないようにするという自己防衛本能が働くからです。

先日、学校という集団生活にどうもなじめずにいるという小学校二年生のお子さんを持つお母さんからの相談を二件受けたのですが、かたや水のグランドトリンを持っていて、かたや地のライツを持っているお子さんでした。
水は感情ですから、この子は好きか嫌いかという本能的な判断をするだけで、自分の感性にそぐわないものを取り入れることによって自分が傷ついたり、変化に対応できなくなることを予知してしまうため、はじめから排除するという方法を取ることで自分を守っているわけです。
ハートフルな性質ですから、心にもないようなお世辞は子供といえども見破る力はほかのエレメントよりも動物的なカンが優れていますので、侮っているととんでもないことになるのです。

子供であってもやはり学校という「社会」では多かれ少なかれ気を使っているので、スの自分を100%出せないでしょう。だからか、家に帰ると途端にわがままになったり、暴君になったりするのがやはり水の星座が主体になっているような子です。こういう子は「好き」なものに囲まれていてこそ安心するのですが、学校にいてどの子もすべて好きというわけではないですし、むしろ嫌いな子もいます。でも、そういう主観を入れてはいけないのもまた共同生活ですので、疲れてしまうわけで、家ではまあたいがい「好き」な人しかいないし、特にまだこの年齢だとお母さんが大好きです。でも、下にきょうだいがいれば、お母さんは愛情を分散しなければなりませんから、この子だけに向けるわけにいきません。でも、子供からするとお母さんの愛情を独り占めしたいので、わがままになったり嫌な言動をわざとにすることで、お母さんの愛情を試すようなことをします。
大好きなスキンシップをわざとに「キモイ」と言ったりして逃げるそうですが、そういう場合、通常だと水のトリンなら、感情豊かに自分からお母さんに抱きつくようなタイプなのに、感情が疲れていると、わざと反動形成で上記のように反対の行動をとって、実はお母さんがそれでも追いかけて来てくれるかを試しています。
言動だけを素直に受け止めてしまうと「反抗期なのか」と思ってスキンシップをやめてしまいますが、そんなことをしたら最後、自分は愛されていないと思ってしまいます。嫌だと言われても「お母さんは〇〇ちゃんが大好きだから抱っこしたい」としつこく追いかける方が水の星座の子はうまくいきます。

風のトリンの子なら、理論武装するでしょうけど、疲れていると理屈をこねることをやめてやたら泣きわめいたり、訳の分からないことを言ったりして「賢い子」から逸脱します。それでも本音は「どうしたの?」「どうしてそんな風にしているの?」と理由を聞いてほしいからです。

火のトリンの子なら、動くことで発散しますが、疲れると黙りこくってしまいます。そういう場合はむしろかまわず、一人で放っておく方がこのタイプの子はいいのです。プライドが高いので、クールダウンできれば自発的に行動します。このタイプをあれこれ構いすぎたり、理由を探し続けると不登校や引きこもりになりやすいので気をつけましょう。

地のトリンは私の例でもあるように、基礎的なことは得意ですし、持続力もあるように見えますが、実は次に進みたいけれど、新しいことに着手して失敗することの恐怖が先に立つのです。なので反動で、基礎は面白くないから次々新しいことをやりたいというような言動をしたり、誰もがやっているようなことをあえてしないようなところが出てきます。失敗しても初めてのことだから仕方がないんだという言い訳を自分ですでにしているので、火の星座の子なら、新しいことに考えもなしに飛びついては失敗し、そこから負けん気を喚起して反復練習を自らすることで次第に成功するのですが、そういうチャレンジ精神のない自分を守るためにわざと言い訳をしては基礎的な事をしないというような態度を取るわけです。
ぶれない自分を持て余してしまうのです。頑固なのでも変わっているのでもなく、変化が怖いから固まっているだけなのです。

一般的に火と地は直感と感覚で反対のもので、風と水は、思考と感情でこれもまた逆のものです。
トリンが多いと、そのエレメントの反対側のことに対しての苦手意識から、本来得意なことを遠ざけようとする反発が出てしまいます。地の多い子がスピリチュアル的なものに興味を持ってそこに逃げ込むということが合ったり逆に火の多い子が引きこもったりオタクになったりする場合があります。

風の多い子がやたら感情的になって周りを困らせたり、水の多い子が屁理屈を言いまくるなどというのも、一種の反動形成で、これらは「反抗期」ということでくくってしまうのは危険です。

苦手なものに対面した時、どう回避するかまだわからない年齢の子は、本来できるはずのことをあえてしないのです。
自己防衛のために相手を傷つけるというのもよく子供が取る方法ですし、トリン優勢型の子は案外そういう面では厄介なのです。
ハードアスペクトは苦手な事と否が応でも対峙させられるのですが、ソフトアスペクトはなるべく向き合わないようにすることを本能的に知っているため、それでも向き合わなければいけないんだと何となくわかってくるとき、そこからあえて得意なやり方をしないで反対のことをしてみるという必死の攻撃なのです。

ソフトアスペクトだから素直…というのは大きな間違いで、案外「個性」を持っていたりするのもこのソフトアスペクトの特徴です。でも、普段はバランスが取れているので、急に変化を起こすことに抵抗があるわけで、そのバランス配分の悪さに自分で葛藤しなければならないのでしょう。

風の星のひとつもない私がそもそも理論重視の占星学を勉強したのも一種の反動形成です。
直観が必要な占いをしているのもそうだと思います。
その分、プライベートでは子供のように感情的ですし、冷静とか落ち着いているというような形容からはかけ離れています。
大人でもこういう反動があるのですから、子供の反動は非常に侮れません。

上記の水のトリンのお子さんは、本来理由などない単に気に入らないだけのことに大人が理由を求めてくるから必死で屁理屈で応戦しているだけで、ただただ抱きしめて「〇〇ちゃん、大好きだよ」と言ってほしいだけなのです。
地のトリンの子は普段がぶれない意志の強い子ですが、ぶれてしまっている自分をカムフラージュするために強がっているだけなのです。新しいことをしてみたい、でも失敗したらどうしよう…というのが先に来ているのです。なので、基礎的なことはできるのだからと自信を持たせてやった上で新しいことにチャレンジさせてあげれば絶対にできるのです。

お母さんはどちらの子のことも「やりにくい」「変わっている」と言っていたのですが、どちらも全く素直すぎる子なのです。
反動形成ほど素直な表現はないので、要するに子供がよく、好きな子に意地悪するというような感じなのです。
この手のつまづきは絶対にあるはずですから、エレメントの特徴を知っておくことは、子育てに大いに役立つと思います。

Keyword:家庭・子育て性格アスペクト4区分

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