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「嫌いじゃない」という感情

悩んでいる人の大半は、相手のことを好きになりすぎているがために、自分を見失ってしまっていて「相手の気持ち」にばかりとらわれてしまって、自分がどうしたいのかということがわからなくなっています。

でも、好きとか嫌いとか言うのは、その人の勝手な感情であって、思われた相手にとっては知ったことではないのです。
好きになりすぎてしまうということは、いきなり相手に剛速球を投げて受け止めろというようなもので、大抵は重すぎて受け止められないでしょう。
相手に受け取ってもらいやすい投げ方をすることが、やはり意思疎通においては男女間でも大事なことだと思います。

先月だったか、不治の病に冒されている人を好きになりすぎて苦しんでいる人の相談を受けましたが、彼女は今、すごくハッピーです。
この人とうまくいったからではなく、この人を好きになっていて悩み苦しみ、「好きになりすぎなければよかった」と思っていた彼女のことを、この彼の友人である男性はずっと好きで見守っていたそうで、苦しんでいる彼女に、自分ではダメなのかと言ってきたそうです。
彼女は最初は彼のことを友達ぐらいにしか思ってはいませんでしたが、「思われる」ということの大切さに気付いたようで、この彼が程良く彼女のことを受け止め、無理強いしない「本物の愛情」を持って接したおかげで、「嫌いじゃない」という感情が芽生えたことによって、彼の誠意を受け止められる冷静さを保てたようです。
そして今、結婚を前提にこの彼とつきあっているそうです。

彼女は自分が好きになるとヘビーになることでずっと恋愛はうまくいかなかったのですが、今の彼に、程良い距離感というか、愛情の与え方のようなものを教えられたみたいです。
自分がされていやなことを今まで相手にしてきたんだと気付いたようです。

すごいボルテージで「好き」になる場合、大抵、自分は相手のことを思いっきり束縛するくせに、自分は束縛されたくないという矛盾をはらみます。そして、「これでもか」と相手に好き好き光線を発するため、相手は窒息しそうになります。
こんなふうに「アバタもエクボ」状態の愛情は、結婚すると「こんなはずじゃなかったのに」と必ずと言っていいほど醒めてしまいます。

もちろん、大好きな感情を持ち続けたまま、相手にそれが運よく通じて結婚する人もいます。
でも、結婚は「嫌いじゃないな」と思える人とした方が幸せなんじゃないかなと、いろんな恋愛相談を受けていて感じることなのです。
あまり好きになると、相手の欠点をも美化しますから、相手は増長し、どんどん嫌な人間になり、成長しません。
一方、好かれた側は時に相手の期待にこたえないといけないと言う変なプレッシャーを感じてしまい、苦痛にもなります。そしてやがてはそれに疲れて爆発し、しなくてもいい喧嘩をする羽目にもなりかねません。
好きになった側は、相手に嫌われたくないからと、自分の欲求や願望を抑え込み、相手に合わせていいなりになることで好かれようとするため、そういう姿勢は相手には鬱陶しいものになります。相手の間違っているところをちゃんと指摘できるような関係でなければ、一生連れ添うことなど到底できません。
やはり、好きな部分もあるけれど、ちょっと嫌だなと思う部分もあって、好きな方が少し多いかな?
というぐらいの冷静な判断ができる相手の方が、一緒に一生生活をする意味ではうまくいくでしょう。
「好きじゃない」場合は「嫌い」になる可能性が大きいのですが
「嫌いじゃない」場合は「好き」になる可能性のほうが大きいと思います。
恋愛も結婚も「期待」が入りすぎたら失敗しやすいため、変に期待しない場合のほうが自然体でいられると思います。

恋愛はドラマチックなものを求めてもいいし、打ち上げ花火のように派手に輝いて散っていくのもいいでしょう。
でも、結婚にドラマは疲れます。「好き」という感情よりも「ホッとする」ものを求めるべきでしょう。

「恋」と「愛」の違いだとも思いますし、愛というのは信頼に他ならないと思いますから、この「嫌いじゃない」という感情を抱ける相手こそ、信頼できる相手なのではないかと思います。

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