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FOOL

「FOOL」というのは、タロットカードの「0」番に当たるもので、日本語訳だと「愚者」となっていますが、別に「バカな人」と言うような意味ではありません。

むしろ、「ピュア」であるとか「無垢」であるというような、ある意味純粋な、邪心のない人の事を指します。
ただ、それゆえに、向こう見ずだし、無鉄砲だし、変なプライドもない分、子供のようにストレートです。
怖いもの知らずというのか、思いのままに生きるというようなところもあります。

要するに、真っ白なキャンバスのような心を持っているため、どんな色にも染まるわけですから、無限の可能性を持っている代わりに、変なものに染まったり、間違った道を進むとそのまま疑いもしないで進んでしまいますので、とんでもない方向に行く恐れもあるのです。

世の中にはこのような、純粋さを持っている人が結構いますが、案外、何も考えていないため、非常にポジティヴなのです。

ドラマでも、これに値するようなキャラクターはよく登場しますが、最終的には勝利を収めると言うケースが多く、それも、勝とうと思っているわけではなく、自然と気づけばおいしい思いをしてしまうというか、無邪気で計算がないため、周りを変えてしまうというか、周りが変わってしまうのです。

ドラマで「蜜の味」というドロドロの恋愛劇を描いたものがありましたが、このドラマの主人公の直子という女性がどちらかと言うとこのタイプだったかと思います。もちろん彼女は医者だし、それなりに年齢を経て強かさも身につけて行きましたが、根底には「FOOL」の持つピュアで一途な愛情があったため、血は繋がっていないとはいえ、伯父にあたる男性を本気で好きになり、完璧な恋人がいたにもかかわらず、その愛情を貫き、伯父の心を捉えるのです。
ほかのドラマでも、まるでタイプは違うコメディですが「ハングリー」に出てくる瀧本美織さんが演じている千絵という女子大生は、本当にピュアに愛情を貫き、主人公の英介の恋人にまで、「私、英介さんが好きです」と平気で宣戦布告しちゃうし、相手をビックリさせるような言動を計算なしにやってしまいます。

また、全然タイプは違いますが、「聖なる怪物たち」の主人公、岡田将生さんが演じている若い医師もまた、純粋であるがゆえに、権力渦巻く医者の世界で、本来なら保身のためにひた隠しにすべき問題などわかるのに、そこを正義のみで真っ向からぶつかるという怖いもの知らずのピュアさを持つ人物です。

人間はとかく大人になると、計算をしたり、自分が得をするようにと、何かと損得勘定で、自分が傷つかないように動く術を覚えるものです。女性なら、大好きな男性の前では弱い部分を見せたりもします。好かれるためならぶりっこにもなるし、可愛くふるまいます。

でも、上記の「FOOL」に値する人たちにはそのような計算はみじんもありません。
ただ、好きだからその人のそばにいたい、ただ、真実を知りたいからなんだってする

という、純粋な気持ちだけで動いています。
そういう人というのは、案外怖いもので、何も考えていないからこそ、邪心の塊になっているような人間にとってはものすごく脅威になるわけです。

「蜜の味」では最後には直子は伯父と姪という禁断の愛を貫き、異国の地で二人だけ生きていきます。

「ハングリー」では千絵は結果的には片思いでしたが、決してあきらめず前を向いて生きていくと思います。

「FOOL」のカードは、私などは最も自分にはないカードなのですが、占星学的に言えば、このカードは「ノーアスペクト」みたいな感じで、惑星によって出方は違いますが、ピュアなものは最終的には全てを変えてしまうぐらいの威力を実は持っているんじゃないかと思います。
だからこのカードはすべての原点であるところの0番なのかなと・・・。

逆位置だと愚かさを露呈してしまいますが、正位置のこのカードは最も侮れないカードのように思います。

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