包囲星

包囲星っていうのをご存知でしょうか？

一般的に言われているのは、二大マレフィック（凶星）と呼ばれている火星と土星に挟まれている惑星のことを言うのですが、この場合、火星と土星がせいぜい二星座程度離れている場合のことを言います。
火星と土星が１８０度近く離れている場合は「包囲」という言葉には属さないためです。
で、その、火星と土星の間に挟まれている惑星は、効力が弱まってしまうということなのです。

私自身は火星は牡牛座１７度で、土星は射手座２９度ですから、間の狭い方をカウントするとしても、５星座も離れているため、包囲という言葉には入らないので、包囲星はありません。

ただ、もうひとつ、二大吉星の金星と木星に包囲されている星も「包囲星」という言い方をしますし、これは逆に包囲されている星が凶星だった場合でも、凶の意味が弱まるということです。
私は水星と土星と太陽という、１ハウスにあってMCや月と常に葛藤するこの惑星たちがよい意味での「包囲星」になるので、ちょっと嬉しいですが、実際には包囲星の意味が強いのはやはり、火星と土星に挟まれている場合のほうだろうなと思います。

で、ある人のリクエストで私自身も気になっていた鬼束ちひろさんについて調べてみました。
これは某所で講義したのですが、彼女は出生時間もわかっているので、暴力事件に関係する星とか、ストーカーに遭いやすい星とかいう意味で調べてみました。
暴力事件に関係するのがやはり火星と天王星です。
クリティカルディグリーを調べても、さほど当てはまる星はなかったのですが、なんとなく彼女そのものに「危なっかしい」雰囲気はあります。
（実はこの危なっかしいところや、彼女の楽曲はかねてから好きで、コンサートにも行ったことがあるのですが）
蠍座・月獅子座・アセンダント牡牛座というだけでもう不動宮のT字クロスですから「濃い」キャラであることがわかりますが、火星は射手座１３度ですので、恒星アンタレスの近くにあるため、これ自体が暴力事件に関わる配置です。しかもこの火星は８宮という性とか死の宮にあるし、８宮は蠍座のナチュラルハウスですから、火星の意味は強まります。（火星は冥王星が発見されるまでは蠍座の主星でした）しかも、火星と海王星が合ですので、このアスペクトを持つ人は、たいがいが「エキセントリック」なのです。
彼女の書く歌詞はまさに、衝撃的なモノが多く、火星が効いているなぁというのがわかります。

さらに、統治星金星が６宮で、６宮には金星と木星があるけれど、土星や冥王星、リリスまでありますし、ちょっと体も弱く、病んでいるイメージすらあります。６宮に星が多い場合は、健康オタクのようになるケースもありますが、６宮は奉仕や労働の宮でもありますから、割と男性には従属し、ある意味尽くしすぎる傾向すらあります。しかも彼女のホロスコープは西半球に星が多く、６宮～８宮に集中していますので、個人主義で頑固なイメージがありますが、実際は付き合う人に合わせてしまうところがあったり、関わる人に影響を受けやすい体質ではないかとも思います。

そして、包囲星ですが、土星が６宮にあり天秤座５度で、火星は射手座１３度ですから６０度です。
その間に見事に冥王星（太陽蠍座の主星）、太陽、水星、天王星が包囲されているわけです。
自我を示す太陽や言語を示す水星、さらには火星を大きくしたような暴力に関係する天王星がすべて効力を弱めてしまいますので、相手のいいなりになってしまうような一面すら見られます。
しかも、冥王星、太陽は「バイア・コンバスト・ウエイ」という、火星を意味する範囲にありますので、暴力に関わりやすく、被害者になりやすい傾向がわかります。
しかも、事件を示す１２宮の主星が８宮にある海王星なので、今回の事件でも命にかかわる恐れも大いにあったかと思われます。海王星は凶座相が多いので、今後もやはり、事件には気をつけなければいけないような星だなぁと感じました。

意外と地の星が少ないため、やはりどこか危なっかしい面があるし、自我は強いですが思いっきり内向していますし、対人関係には不器用極まりなく、得に男性に対しては金星が乙女座２９度と、品位も悪く涙の角度にもなりますから、理想の相手を見つけてはいても、自分が重たくなってしまい、相手が引いてしまうケースが多いのではないかと感じました。

たぐいまれなる才能を持っている人だし、うまいのですが、どこか一般受けしないのはやはり６宮とか８宮といった、宮の意味としてはあまりプラスに働きにくい宮が主体になっているせいかもしれません。

事件以来、ちょっと妙なロックみたいな方向性に走ったりしていましたが、もともと非常に才能のある人だけに、また昔のような圧倒的な歌唱力と衝撃的な歌詞で感動させてもらいたいものです。