占星学の玉手箱

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Astrology

運気の捉え方

Category:占星学・基礎知識

私はこういった基本中の基本に立ち返るのが好きなのですが、今、一番多い相談が実は恋愛ではなく、転職相談なのです。

大きく分けて
「何が向いているかの適職相談」

「転職する時期」
を尋ねられることが最も多いです。

前者は、やはり私はその人がいくら適職は〇〇ですと言っても、嫌いなことだったら意味はないし、かといっていわゆる天職をいきなり勧めても、物理的に不可能な場合もあります。
天職はお金儲けに関係なく、魂が喜ぶ仕事ですが、適職はお金を稼ぐことに徹した場合もっともその人に合っている仕事です。

天職は10宮や山羊座にある星、MCとのディスポジターやカルミネートしているベストプラネット、さらには真我の表示体や統治星、先行日蝕によるテーマ等を総合判断します。
適職は、6宮や乙女座にある星、2ハウスや牡牛座にある星などから考えたりもしますし、反対側の12ハウスとの関係性も観ます。太陽のあるハウスや月のあるハウスからも判断します。

もちろんこれらは一つの観方ですので、すべてこの方法で観るというのではないのですが。

不思議と、変化を起こしたくなる時期というのは一般的に木星が太陽とソフトアスペクトを取っているというような穏やかな時期ではなく、土星が絡んだり、太陽とハードアスペクトを取ったり、アセンダントやMCにハードアスペクトを取る凶星があるような、いわゆる運気的には「しんどい」と言われる時期なのです。

人間というのは、変化がなく平和だとどうしてもそれを退屈だと感じる傾向があるので、慣れてしまうとありがたみを忘れます。だから、いわゆる「良い運気」と言われている時期にはあまり努力をしません。
そういう人がハードな時期になって急に転職したいと思って行動してもフライングにしかなりませんので、余計運気が悪いということになってしまいます。

ですから、例えば木星が運勢四大代表のいずれかに合になっているような「良い時期」と呼ばれる時にこそ、本来自分が苦手なことや、やりたくないことを努力する方がいいのです。
運気がいいのですから、苦手なことも案外すらすら頭に入ったり、良い指導者に恵まれるなどのギフトがあります。ただ、もともと楽観視しているときというのは、自分を律するなどということは誰もしません。
「勝って兜の緒を締める」という言葉がありますが、なかなかこれのできる人はいないものです。
でも、良い時期をうまく使わない手はありませんね。

土星に見舞われているような試練期には自ずと努力せざるを得ない状況が与えられますが、そんな時にもただ腐ってしまう人と、ピンチをチャンスと思える人との差はやはり努力に出ます。
でも、中には、やはり性格上、ハイリスクな生き方は好まない人だっています。

冒険心があり、克己心もあってチャレンジャーでありたいと思う人は、木星が絡む時期や、土星でもソフトアスペクトの多い時期には長期的展望をしてその目標に向かって努力すればいいし、目標はできるだけ高く設定すればいいでしょう。そして、土星がハードアスペクトのときや、他の大惑星がハードアスペクトのときこそ、「やりがいがある」と感じてあえて苦手な事をやったりして、ストイックに自分を追い込むといいでしょう。

なるべく安定志向で、ローリスクな生き方を好む人は、木星期や、ソフトアスペクトのときは現状維持で、周りの人に感謝しながら毎日を平和に過ごせば悪いことは起きません。あえて何かを始めたりしない方がいいでしょう。土星期や凶星のハードアスペクトのときはもう、冬眠という感じで物事を変化させないことです。あがいたところで労力の割に実入りが見込めないのですから、エネルギーを使わずためておくことです。得意なことをしたり、継続的にやっている好きなことに取り組んで波風を立てないようにしたらいいでしょう。

要するにその人の性格によって捉え方が変わるのです。

だいたい、前者の生き方を推奨する場合が多いですが、後者のような生き方が決して間違っているとは思わないのです。私などどちらかというと後者タイプなので、前者のような生き方を模索すると必ず焦って失敗します。「果報は寝て待て」というとちょっと語弊がありますが、エネルギーをあまり消費したくない方なので、しっかり健康面に出てしまっていますし、動けないのだから仕方ありません。

なので、運気だけを見て一喜一憂するのではなく、その人に合った方法を伝授しなかったらむしろ
「頑張ったのに何もなかった」という不満が出たり
「やっぱりいやなことが起きてしまった」と後悔したりもすることになってしまいます。

頑張ることに向いている人もいれば、不向きな人もいます。
考える前に行動する人もいれば、考えてからしか動けない人もいます。
なのに、ひとくくりに運気だけを当てはめたら人によっては大きな間違いを犯すことになってしまいます。

占いはこれが一番怖いのです。

2015年の「フィギュアスケートグランプリシリーズ NHK杯」はもう、鳥肌モノの感動でしたが、男子シングルで、SPもFPもすべてノーミスの演技で圧巻の322.4でしたかのすごい得点をたたき出した
羽生結弦選手は、射手座でまさに土星の影響をもろに受けていて、運気的には「試練の時」なのです。
でも、なぜあんなすごい結果を導けたかというと、彼は自分でも言っていますが、ピンチをチャンスと思えるタイプで、常に攻める人です。土星を味方につけることがお手の物なのです。
2014年はもう、試練の通りの結果でしたが、やはりオリンピックで金メダルを取ってもともと楽天的な射手座なのもあって、多少のおごりがあったと思います。そういう場合、やはり土星は試練をしっかりと与えてくれます。
でも、彼はそんなことでめげる弱っちい人ではありませんので、本気で奮起したんでしょうね。
「ようし、見てろよ」と思ったはずです。
土星の影響下なのでやはり2015年も最初に登場したカナダ杯では不本意な出来で、パトリック・チャンに負けました。土星は簡単にご褒美などくれません。
でも、そこから本人も言ってた「血のにじむような努力」をしたのは事実だと思います。
そういう頑張りをした彼には、あのようなギフトが来たわけです。

もちろんこれはわかりやすい例ですから、すべての射手座の人が不屈の努力が報われるというのではないのですが、もとの性格がポジティヴなので、逆境を味方にできてしまうという例です。

一方、天秤座の浅田真央さんは、月が射手座です。彼女もまた土星の影響を受けてしまいますので、最初こそさすが!という結果でしたが、同じ2015年のNHK杯では、羽生選手とは対照的な不本意な結果でした。
月は太陽よりもメンタルに影響を及ぼしますから、真央さんは最初に優勝したため、安堵感でちょっと省エネモードに入っていたかもしれません。もともと、羽生君ほど負けん気を前に出すタイプではなく、どちらかというと優雅な自分の滑りを楽しみたいという職人のような人です。(天秤座なのでニュートラルな感じ)
でも、メンタルで強さが足りなかったのでしょうね。迷いもあったような滑りがNHK杯では見えました。疲れもあった気もします。
ただ、2016年はあまりにも彼女にとっては結果だけを見ると惨憺たるものでしたから、木星がどこか「まあいいや」という弱気を連れてきたとも言えますので、怖いものです。木星がソフトアスペクトになる時は土星の方がどうしても強く出てしまいますので。
でも、真央さんが間違っているのではありません。2017年のスケートシーズンには木星はまだ天秤座にいます。
彼女は照準を今年に絞って、多分最初からうまくいくはずがないことを知っていますので、冷静なのです。何とか納得のいく形で終われるよう、彼女のスケート人生を応援したいものです。
真央さんばかりが注目されるのはもはやスターなので仕方がないですが、2016年は宮原知子さんが素晴らしかったです。彼女のスケーティングは安心して見られるし、性格の真面目さがスケートにも出ています。
決して華はないですが、こういう真面目で誠実な人がもっと注目されたっていいと思います。彼女は実は牡羊座ですので、闘志を燃やしているのです。でも、面白いことに彼女、地の星は一つもないんです。だから、余計に反動形成で頑張るのではないでしょうか?月が魚座なので、周りを気にしないでいられるというのもあると思います。今、土星は太陽と角度が良いし、彼女は運気の良いこの時期こそ、現状維持ですが、彼女の現状維持=練習ですから変わらないと思います。
年ごとに最近は新たなスター選手が出てくるスケート界ですから、オリンピックイヤーになる今年の後半は木星が蠍座に移行しますし土星も12月末に山羊座に移行しますから、羽生君もうかうかしていられません。彼には常に健康面の不安がつきまといますから・・・。台頭著しい宇野昌磨君も射手座なので、2106年みたいな活躍ができるかわかりませんが。

このように、運気は使い方で生かすこともできるし逆に殺すこともあるのです。

転職の話に戻りますが、転職はしたいからと言ってできるわけではなく、できないからと言ってしてはいけないのでもないのです。その人にとって転職した方が楽なのか、しない方がいいのかという見極めを私のような仕事に携わる人間は、していく必要があると思います。
向いてないと自分で勝手に思っているだけで、実は向いていることをしている人もいますし、逆にいくら頑張ってもその人にとってまるで分野の違うことにエネルギーを費やしても無意味な場合もあります。

ホロスコープにはその人にとって使える星が絶対にあります。それをいかに使うかということが肝心です。

Keyword:天秤座 射手座木星土星性格トランジット

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