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Astrology

ハウスを助長する星と抑制する星

Category:占星学・アラカルト

ハウスを助長する星と抑制する星というのは、言わずと知れた前者は木星で後者は土星のことですが、時には助長する星は天王星である場合もありますし、抑制するのが冥王星である場合もあります。ただ、トランスサタニアンの天王星や冥王星は、人間の意思がいくらそうであってもその通りにはなってくれない惑星でもあります。

一般に、木星は入っているハウスの意味することを助長することになりますが、助長するということは、調子に乗りすぎると増長することになり、膨張させてしまうことにもなるため、気が緩んでしまい、人は怠慢になる恐れもあるので要注意です。

一方土星は、入っているハウスの意味することを抑制することになりますが、これもまた、良い意味でブレーキがかかるため、慎重に事を運ぶことで自分を助けることにもなるので、木星がラッキーで土星が不幸だとは決して言えないのです。

1宮に木星がある場合は自分自身を助長するつまり楽天性を与えます。ただし、調子に乗るとただのノーテンキだったり、ボーっとしていると太りやすいということにもつながっていきます。
土星があるとコンプレックスが強かったりしますし、ネガティヴな面はあるけれど、慎重で地道にコツコツ努力せざるを得ないため、いぶし銀のようなタイプにもなりえます。

2宮の木星はお金に対して気が大きいという意味で、財運に恵まれていると喜ぶとそうでもない場合があります。蓄財能力によってはただの浪費家を生む場合も。土星があると無駄遣いを抑制しますがこれまた行き過ぎると単なるケチになり人間を小さくします。

3宮の木星は考え方が楽観的であるということを示します。物事を良い方に考える能力があるので活かせば非常にいい配置でしょう。ただ、慎重さには欠けます。土星があると生真面目でシビアな考え方をするということになるのですが、間違いは少ないでしょう。

4宮の木星は自分の居場所があれば快適ですし、家庭運に恵まれる配置ではありますが、家が気楽すぎて結婚できにくいケースも。土星があると家が厳しい傾向があるので家を出たいと思う場合が多いのですが、自立心が養われるので案外大人になったらいい場合もあります。

5宮の木星は恋愛に関して楽観的になるため、もちろんそれが活かせたら楽しい恋愛運にもつながりますが、多くはむしろ恋愛に関して自分から動かなかったり、怠惰になる場合が多いようです。土星があると抑制されたりやたら大人びた恋愛傾向になったりしますが、概してこの配置は大恋愛では結婚できません。

6宮の木星は仕事運がいい配置で、健康運もいいと言われますが、安心してしまうため、案外無頓着になる場合もあります。土星の場合はどうしても縁の下の力持ちのような立場になりがちなので、不満がたまりやすく健康面でもストレスをためやすいかもしれません。健康と仕事は連動するという感じでしょうか。

7宮の木星は人間関係においておおむね楽観的ですが、これも5宮木星と同じで、安心してしまい、自分から積極的に結婚に対して働きかけない場合もあります。土星があると一般には晩婚だったり結婚に慎重すぎてしまいますがハウスの品位はよいので案外間違いのないパートナー選びができる場合も。

8宮の木星は人からの施しを受けやすい配置で、他者を肯定する力はあるのですが、安心しすぎると受け身になりすぎてしまいます。土星があると他者肯定がなかなかできなかったり、人からの評価を素直に受け止められない屈折したものが出てきます。ただし、特定の人と深く関わるでしょう。

9宮の木星は定位置ですから海外に縁があったり、旅行運があったり専門の分野に対しての研究などを助長します。ただ、あまり物事を広げすぎないことが肝心です。土星があると「オタク」になりやすいですが、うまく使えばその道のエキスパートになれます。ただ、行動半径は非常に狭まるでしょう。

10宮の木星は割と楽に上の立場になるという傾向があるので、努力を怠るとそのまま甘んじてしまいますが、成功に近い恵まれた配置です。土星があってもこれはまた定位置なので、天職に対しては到達するのに時間がかかったり、親の期待に反発してわざと遠回りをすることもありますが成功すれば野心が満たされます。土星の最も良い意味が出やすい場所にはなります。

11宮の木星は生まれながらに愛される配置ですが、増長すると思いやりのなさにもつながるので気をつけないといけませんが友人運はいいでしょう。土星があると友人が抑制されるので交友関係は狭くなりがちですが深まります。ただ、愛されることをも抑制しますので、人間関係に傷つきやすいでしょう。年長者と仲良くなる傾向があります。

12宮の木星は、12宮の意味するところの敵や隠れた問題に対してそういったことから救う力を持つため、12宮にはどの惑星が入ってもいい意味にとらえないのですが、木星のみ「最悪の事態を免れる」という配置になります。土星があるとそういった問題がなかなか表に出てこないため非常に厄介です。本音をなかなか言えないタイプが多いでしょう。ただし、病気などに冒されている場合などにT木星が入ると病気を助長してしまいますので要注意です。T土星があるときはもう、隠れた努力をすることで充電する方がいいでしょう。

もちろん、ハウスに惑星があるというだけで判断できないので、これらに当てはまる場合、その惑星のアスペクトにもよります。
ですから、木星が入っているからと喜んでばかりもいられないし、土星があるからと悲観することもないということです。

これらは、Tの惑星やPの惑星が通過する時期にも関係しますので、応用できます。

橋下徹氏の例ですが、彼の場合、2013年はT木星がソーラーチャートの12宮を通過していましたので、大きなことを言うとそれが増長されてしまい、隠れた敵も多い人だけに、目立ってしまったと思いますが、12宮の木星は最悪の事態からは免れます。ここが正念場ですが、2013年7月にはT木星が彼の太陽星座の蟹座に来て、それが一つのチャンスで、まさにピンチをチャンスととらえて起死回生を狙たでしょう。1宮の木星で彼が傲慢になったり怠惰にならなければ木星は最大のギフトをくれる惑星でもあるので、国民の支持を得るようになりましたが、結果的には2015年5月、T木星が獅子座に移行しソーラー2ハウスで自信があったのでしょうけど大阪都構想は敗れ、T土星がソーラー6ハウスだったのもあってもともとあまり地味なポジションは似あわない彼は政治の世界からは引退?した形をとったのも、保守的な年配の人からの支持があまり得られなかったからではないでしょうか。

彼のソーラーチャートでは木星は2013年当時は3宮にあったのでどうしても軽々しく口をきいてしまう傾向がありました。土星は11宮だったので組織の一員(彼の場合日本維新の会の代表であるという意識)としての考え方が抑制されるのでしょう。
水星がもともと双子座にあり、12宮でT木星と絡んでしまったのもあって、安心しすぎて無用意な発言が多すぎたきらいがあります。
この人もまた、本音を言いすぎて、したたかになれそうでなれない人なのでしょう。

このように木星と土星のあるハウスを掴むだけでも結構面白いと思います。特に一年間の運勢を見る場合は、T木星で助長する問題を、T土星で抑制する問題を見ていくといいでしょう。

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