インナーチャイルドと占星学

インナーチャイルドとは文字通り、子供の心を示す言葉ですが、誰しも子供のころに何らかの心の傷を負っています。通常は大人になると忘れてしまう場合が多いのですが、傷があまりにも深かったりすると、それを忘れたつもりでも、実際は心の奥底にため込んだまま、大人になることでごまかしてしまっているわけです。

それが、何らかの拍子に出てくる場合があるので、そういう場合、心の傷と向き合っていかなければ成長できないのです。
キローンと少し似ていますが、キローンは前世のトラウマですので、現世での出来事ではありません。
インナーチャイルドのほうは、子供時代に受けた心の傷なので、その大きさには個人差があります。
それを司るのは月ももちろん使いますが、やはり子供の心を示すハウスは5ハウスで、このハウスは、誰にでもあるいわゆる「童心」をいかに楽しく発揮できるかということが大事なのです。
5ハウスは恋愛特に与える愛を司りますが、インナーチャイルドが傷ついたままでいると、正常に愛情を与えることができませんので、当然のことながら受け取ることもできません。
趣味や娯楽一般をもさしますが、そういったことを心から楽しめるにはやはりインナーチャイルドが癒されていることが必要になってきます。5ハウスは子供運も示しますが、インナーチャイルドが癒されずに母親になった場合やはり自然な愛情を発揮できないように思います。
5ハウスは獅子座のナチュラルハウスなので、華やかなハウスです。心底楽しいと心が思えるようなことを司りますので、ここが良い状態である人は、天真爛漫ですし、自然な愛情表現ができますので当然異性にも愛されると思います。
5ハウスに太陽のある人は概ねそれがアフリクトされていない場合は、インナーチャイルドが癒されている人でしょう。
恋愛のハウスなのでどうしても金星や火星があると恋愛体質なのだろうかと結び付けられやすいのですが、実は5ハウスのナチュラルプラネットは太陽ですから、金星や火星があっても実はそれが意外と恋愛を妨げることになることも多いのです。
金星は2ハウスや7ハウスで強くその性質を発揮しますし、火星は1ハウスで性質が顕著に出ます。5ハウスに土星がある人の場合も、恋愛がコンプレックスになっていたり、最初の恋愛の体験でインナーチャイルドが傷ついている場合が多く見られます。海王星などがある場合は愛情に対して悲しみを背負いやすいので、理想の恋愛を追及したりして、現実逃避してしまうケースもあります。
もちろん惑星が入っていてもアスペクトが良ければさほど問題はないのですが、サインにもよりますし、品位も見る必要がありますし、その5ハウス内の惑星はどのハウスの主星になっているのかを見ることもとても重要です。

私は火星が5ハウスの終わりなのでほぼ6ハウスになっていますが、リリスが平均位置だと5ハウスにあり、11ハウス（愛されることを司る）の海王星とオポジションです。ただ、火星は5ハウスの主星ですし、ホロスコープ上のシングルトンで、グランドトラインの一角でもありますが、グランドクロスの一角でもあります。
これはもう、完全にインナーチャイルドが傷ついた状態です。

5ハウスと11ハウスに加えて、2ハウス（自己価値）と8ハウス（他者肯定）を合わせてこれらはすべて、不動宮のナチュラルハウスつまりサクシデントハウスで、人間関係においてとても重要なハウスなのです。
私はサクシデントでグランドクロスを形成しますから、人間関係においてはほぼ何らかの悩みを抱えているようなところがあるのはやはり根底に、インナーチャイルドが癒されていないというのが原因しているんだろうと思います。

インナーチャイルドカードを使いますのでそれでもハートのカードがよく出ます。しかもハードのカードの中でもややさびしいイメージに読めてしまうカードがよく出ます。やはり本質はどこか「愛情面での寂しさ」を抱えているようです。

インナーチャイルドカードのセッションは鑑定のオプションで使いますが、ホロスコープの5ハウスの状態を合わせて読むことで非常にセッションの幅が広がりそうだなと思いました。