運命は変えられる？

運命は変えられるのかとよく聞かれますが、運命は努力によって変えられるのです。
ですから、鑑定上、離婚運があると言われた場合、それを知っている人は、やはり離婚しないように努力するので、そうすることで回避できる場合だって多々あるのです。これが本当に、良い占いの利用の仕方だと思います。でも、知らなかったら、やはりそういった星を持った人は離婚しやすいのは事実です。

だから、運命を変えるためにも、もっとホロスコープを知っていた方がいいのにと思うのです。

でも、宿命というのは変えられません。女に生まれるとか、日本人だとか長男だとかそういったことは、いくら努力しても無理なのです。（昨今ではまあ、性転換などもできますが、それでもそれは人工的なものです）

60年間取り違えられたことを知らずに育った二人の男性のことが話題になりましたが、Ａさん（本来は裕福な家に生まれたのに、取り違えらえて貧しい家の四男として育ち、中学卒業後、親の家計を助けるために働いてきた人）
とＢさん（本当は貧しい家に生まれたのに、取り違えられたため、裕福な家の長男として育ち、大学卒業後社長として家業を継いだ人）
の生年月日と出生時間が載っていたので、調べてみました。

二人は13分しか出生時間は違わないのですが、出生時間が4分違うとアセンダントは1度違いますので、この二人の場合、アセンダントはほぼ3度違ってきます。
双子の研究などにもこれは適用できますが、この二人はもう、天と地ほどの環境の違いがありますから、天と地ほどの違いがホロスコープ上にもあるはずだとみてみたのですが、
ＭＣが大きく異なっていました。
ＡさんのＭＣ（社会的地位を示す）は蟹座の29度、家族のことで涙を流すという角度です。
確かに、父親が小さいころに亡くなり、母親の手ひとつで育てられたため、家計は苦しく、中学を卒業しただけでもう社会に出ることになったわけです。

一方、ＢさんのＭＣは獅子座です。社会的に上の地位に立つということが運命づけられているわけです。
社会的地位がもう、天と地ほどの差になるわけです。

さらに、二人とも挟在サインがありますが、Ａさんは、6宮と12宮が挟在サインになるため、やはり労働と健康というようなことが弱いので、親が健康を害して早く亡くなったり、確か兄弟も早く亡くなっています。そのため、ずっと自分は肉体労働をしていたようです。

Ｂさんは3宮と9宮が挟在サインになりますから、兄弟関係に弱点があるわけです。あと、教育関連にも弱点があり、本当は貧しい家庭の血を引いていますから、勉強ができる家系ではなかったかもしれないですし、他の兄弟からすると、長男というだけで家の仕事を継いだこの兄に対してどこか違和感を持っていたのではないかと思います。

さらに、ＭＣに対してのアスペクトが、Ａさんはハードアスペクトしかありません。ですからやはり仕事面でも苦労は多かったと思いますが、Ｂさんにはソフトアスペクトが結構あるので、家の仕事を継いだわけですから、ある程度恵まれた環境下にあったと思います。

いずれにしてもＢさんの方がホロスコープ上では恵まれたものを多く持っています。

ただ、本来の性格は、Ａさんは非常に優しい、温和な人なのでしょう。
本当のことを知っても、誰かを恨んだり、自らの人生をとがめることもなかったようで、むしろ今、Ｂさんの弟（本当の弟になるのです）と一緒にお酒を飲んだりしているようですし、そういった今を喜んでいるようでした。実際、Ａさんの木星は８宮になるので、相続運があります。
Ｂさんの木星は7宮なので、まあ、恵まれた環境だったと思いますので、それに応じた結婚をしたのでしょう。

この事実でもわかるように、運命的には、確かにＡさんの方が苦労の多いものを持ってはいます。
でも、もとの性格が多分いい人だったため、60歳になってからという遅い時期ではあるものの、今後はある程度の経済的な援助も得られることになったでしょうし、晩年になってまさか自分がこんな運命になるとは思っていなかったはずですから、逆にうれしいかもしれません。

Ｂさんの方がむしろ、得をした人生だったのですが、事実がわかって、他の兄弟たちにもやや疎まれるでしょうし、元の性格にもよりますが、今更得た地位を捨てることもできないでしょうから（Ａさんが急に社長になってもやはりできないと思いますし）なんとなく後味の悪い思いをしているのはむしろＢさんかもしれません。

本当にドラマのような話ではありますが、実際にもあるのですね。

ただ、ＡさんもＢさんも、やはりどちらも共通して人生のテーマが4宮にありました。
こればかりはどちらも運命的に同じものを背負っていますから、やはりホロスコープは侮れないなと思いました。